阿紫カービィ さんの感想・評価
4.9
閲覧要注意
何年かぶりに 観かえしました。
正直、今敏監督は苦手です。
が、この作品は、『原作者』の叫びが聴こえてくるようで好きです。(キャラクター原案、江口寿。最高です。)
お話としては、『あなた、誰なの?』に始まり『私は私よ』で終る。
まず、
未麻子の部屋が 強烈に目に飛び込んできます。
きっと
普通の女の子の普通の部屋。
まるで『覗き』をしているかの様な錯覚を覚えます。
(いいよ、狙いにハマってあげましょう…)
私は覗き魔になる。
そして
女優としての未麻の初の濡れ場のシーン。
レイ◎される未麻はとても美しい。ゾクッとする。
デフォルメのない、正確な躰のライン、
男の『in out in out』の動き…リアルでエロティック。
私は未麻を犯す男優になる。
どんどん不安定になって行く未麻
『解離性障害』という病
『ストーキング』(あえてあたしは偏愛と言いたい)
それらの『不安要素』が絡みあっての
ラストへの疾走。
私は思うのです、
この作品は、誰にでも有り得るであろう『迷い』からの脱出劇ではないの?と。
この作品を、『グロ』と思って欲しくない。
先入観で敬遠して欲しくない。
心の話、愛の話、そう思う人が一人でも多くいて欲しい。
『罪』を
人は 気づかないうちに犯している。
『こうあって欲しい』という願いが高じて
人を傷つけたり
無意識に自分を傷つけたり
今 自分に
『私、誰なの?』と問う
『解らない』と応えることしかできない
一生
応えられないかもしれない
それでいいと 思ってる
今監督の短編映画『オハヨウ』
こちらも合わせて視聴してみてください。
人の中に潜む、複数の『私』
複数が『ひとつ』になって
『自分』が完成する。
さて
今日の『私』はどの子とどの子?